国際馬事学校の学校ブログ | 国際馬事学校
2009.5.22 金曜日

馬と人と

今日はホースセラピーについて記事を書こうと思います。
当校の校長、鈴木弘二先生は、
【(財)日本障害者スポーツ協会 中級指導者 】
という資格をお持ちです。


本日の助手・大野先生と

障害者の方が安全に楽しくスポーツが出来る環境を整えるスペシャリストです。
校長は実際に活動もされていました。

今日の授業では、
・ホースセラピーに適した馬の調教方法
・ホースセラピーの際の騎乗者へのサポート
を主に勉強しました。



馬はエデン。
芦毛の牝馬です。
4名の生徒が授業を受けました。

まずは馬の体を、調馬策という調教用のヒモを使って触りまくります。

騎乗者は、何も知らずに急に馬のおなかをポンと触ったりするかもしれません。
急にタテガミを引っ張るかもしれません。
楽しくて、大きな声を出すかもしれません。
そのような場合でも、大人しくしていられるように馬を馴らすのです。

普段人間は馬の左側から接することが多い。
これは馬業界の常識ですが、セラピーに使う馬には右側からの刺激にも慣れてもらいます。

「 イ ヤ ン !!」 byエデン
やっぱり右側からの刺激には、左側よりも敏感に反応してしまいますね。
最初はちょっと後ろ脚で蹴るような動作をしましたが、慣れてくれました。



さらに、人間が手綱を離して馬から離れても、その場でじっとしていられること。

そこでじっと待っていられています。

もしやエデンはセラピー馬の素質があるのでは?
えらいぞ。




さらに、引き馬をします。
停止→発進、また停止→発進を繰り返します。

声をかけてあげながら…

そのうちエデンは、引き手を離しても自分で校長先生に付いて歩き、先生が止まれば止まるようになりました。



さあ、ダブルレーンで馬を動かします。
調馬策2本を操ります。

エデンはダブルレーンをされるのが初めてなので、最初は大野先生が引きながら…

アメリカでは競走馬もダブルレーンで調教することが多いそうです。
前の調馬策が方向指示、後方の調馬策で馬を追います。

蹴らない馬に調教できるとか。
馬はお尻や後ろ脚を触られると、本能で蹴り上げてしまいます。
そうしなくていいんだよ、と教えてあげるのです。

こんな風に脚に触れていても大丈夫。

ダブルレーンで動かした後も、そこでじっと動かず指示を待つエデン。

「次の指示ください」





動物を使ったアニマルセラピーの中でも注目を集めるホースセラピー。
現状では馬の扱いを良く知らないまま、大人しい馬を購入してセラピーを行っているケースもあるそうです。
やはり馬を知っている人が、安全な馬に調教し用いることが重要と感じました。
さあ、4人で役割分担をして、実際にやってみましょう。

馬の口を引く人がリーダー。
左右を支える人がサイドワーカーと言います。
そして号令をかけ、全体を把握するインストラクター。
計4名。
障害を持つ人に安全に乗馬を楽しんでもらうには、これだけのサポートが必要なのです。


実は結構むずかしいのです…

ほら!リーダー!
サイドワーカーがカラーコーンにぶつかってしまうよ!

全体をイメージしながら導かないといけません。

大野先生もチャレンジ。

授業ではエデンを使いましたが、実際には体高の低いポニーを使うことが多いそうです。
確かに、サイドワーカーがとっさの場合に騎乗者を支えやすいですよね。
「めっちゃ手が疲れます〜」
とMさん。
校長先生がおっしゃるには、実際に障害者の方をのせる場合は非常に緊張するそうです。
スタッフ側の経験と、調教された大人しい馬が必要不可欠なことがよくわかりました。
社会的にもホースセラピーの需要は今後増しそうな予感ですし、身に付けておいて損はないスキルですね。




この授業を見学していて、校長先生の馬への接し方がとても印象に残りました。
馬の様子に気を配りながら、良いことは誉め悪いことは叱る。
それをくり返すうちに、馬は自分がどんな行動を望まれているのか、理解します。

校長先生はやっぱり偉大ですね。





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3件のコメント

  • ヴィクトリー より:

    ホースセラピー・・・  そういうのがあるのですね。

    馬の調教は大変責任感あり、やりがいのあることですね。
    素晴らしい事だと思います。

    エデンもセラピーホースのスジがありそうですね。
    でもやはり校長先生の教え方が『的』をついているんでしょうね。

    また1つ、馬の世界が広がりました。
    ありがとうございました。

  • 管理人 より:

    〇ヴィクトリーさん
    ホースセラピーはいい意味での刺激が、障害を持った方々の弱っている機能を活性化するのではないでしょうか?
    馬の背にまたがったときのぬくもりや、風を切る音、草や土の匂いとか(^^)

    エデンが大人しかったのも、校長先生の扱いがすばらしかったのも、相乗効果だったんでしょうね。
    マジックを見ているようでした!
    管理人自身もたいへん勉強になった取材(?)でしたよ!

  • 馬好き より:

    エデンちゃんはホースセラピーに向いてますね★☆
    学校で障害者の体験レッスンを開くときは、エデンちゃんを
    担当にするといいかもしれませんね。
    本当におとなしくて可愛い馬ですね。
    私も馬と出会ってからだいぶ心が和んできた気がします。。

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